ショベルの用途外使用で労働者が死亡 飼料製造業者を送検 田辺労基署
2018.03.28
【送検記事】
和歌山・田辺労働基準監督署はドラグ・ショベルの主たる用途外使用により労働者が死亡した労働災害で、協同組合とショベルの運転者を労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで和歌山地検田辺支部に書類送検した。
同組合は主に養豚飼料の製造販売を営んでいる。労働災害は平成29年7月26日、和歌山県西牟婁郡の養豚場で起きた。被災労働者と運転者は高さ約8メートル、直径3メートルの貯水タンクの向きを、ショベルで吊り上げ変えようとした。被災労働者をショベルのバケットに乗せ、タンクの上部に運び、タンクとショベルのバケットをつなげたが、ショベルを使いタンクに上ったため、降りられなくなってしまった。運転者は被災労働者をタンクに乗せたまま吊り上げた。しかし、重さに耐えきれずに結合部が破損、タンクは横倒しになった。被災労働者も転落し頭を打ち、病院に運ばれたが、2日後に死亡した。
同現場ではドラグ・ショベルを道の整備などで使用していた。資格を持っている労働者は運転者1人だけだった。同労基署は労働災害について、「ショベルの用途外使用は違法・危険であるが、そもそもこの作業自体、貯水タンクの大きさや重さなどを調べずに、無計画で行われたようだ」と話している。
【平成30年3月7日送検】