20歳の労働者がフォークリフトで窒息死 計画なく作業させ送検 さいたま労基署
2018.03.29
【送検記事】
さいたま労働基準監督署はフォークリフトの作業計画を事前に作成しなかったとして、物流業者と同社の安全管理責任者を労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いでさいたま地検に書類送検した。作業計画なしにフォークリフトで作業を行わせた結果、20歳の男性労働者が死亡する労働災害が発生している。
平成28年7月5日、さいたま市内にある同社の物流倉庫で、フォークリフトを使い単独の荷役作業を行っていた労働者が、運転席内で意識不明の状態で発見された。労働者は病院に運ばれたが死亡した。死因は窒息死だった。
単独で作業を行っていたため、事故の瞬間を目撃した者はいなかった。現場の状況から、フォークリフトを後退させた際、背後にあった棚に衝突、フォークリフトと棚に胸部を挟まれたものとみられる。労働者が乗っていたフォークリフトは、立ったまま運転するリーチフォークリフトで、運転席の背後を覆うカバーはなかった。フォークリフトのキャビンよりも棚が高かったため、労働者の身体に棚が直接当たることになった。
労働安全衛生法は労働者にフォークリフトで作業をさせる場合、あらかじめ作業計画を作成しなければならないと定めている。作業計画には運行経路や作業方法などが示されていなければならないが、同社の作業計画は運行経路の記載がないなど、法定の要件を満たしていなかった。
【平成30年3月15日送検】