有機溶剤使用時に排気措置採らず タンク内で中毒発生させ送検 松本労基署
2018.04.18
【送検記事】
長野・松本労働基準監督署は、有機溶剤を使用する際に適切な措置を講じなかったとして、タンク内部にゴムの内張りするゴムライニング加工などを行う業者と同社取締役を労働安全衛生法第22条(事業者の講ずべき措置等)違反などの疑いで、長野地検松本支部に書類送検した。同社取締役は、本社において、安全衛生管理に関する業務を統括管理していた。
平成28年8月、長野県松本市の同社工場において、労働者2人が有機溶剤を用いて、直径約1メートル、高さ約2.5メートルのタンク内で作業していたところ、中毒になり、1人が死亡し、もう1人は休業8カ月と診断される重体に至る労働災害が発生した。
有機溶剤には、第二種有機溶剤に指定されているトルエンが99%以上含まれていた。このため、法律上、有機溶剤作業主任者を選定することに加え、局所排気装置またはプッシュプル型換気装置を設ける必要があった。しかし、同社は怠っていた。さらに、作業者の見やすい場所に対して、有機溶剤が人体に及ぼす影響や中毒時の対応などを示すことも義務付けられているにもかかわらず、掲示していなかった。
【平成30年3月5日送検】