派遣労働者を派遣先が直接雇用に切り替えるかどうかの人事をめぐる助言・指導事例
助言・指導の内容
申出人Xはメールに対する回答が無いと申し出ており、被申出人Yはすでに回答済である等、両者の言い分が食い違う点が多くあった。そのため、きちんと両者で話し合いを行い、メールの回答に対しては、Xの求めに応じて文書でYはこれに応じることを助言した。
またXが述べる、正社員としての勤務を希望しているのに、派遣元との関係からその採用をしないとすることは、採用に関しての権利の濫用となるおそれがあることを指摘し、改善を促した。
結 果
申出人Xと被申出人Yが、直接面談して、話し合いを行った。
Yから「Xの人事に関しては、製造課長が個人で判断して正社員の登用の話を持ち出したものであり、総務課としては、内容を把握していなかった。この点は謝罪したい。今後、同様の事態が発生しないように雇用管理を改善し、管理の徹底に努めていく」との説明および謝罪があったことを受け、Xは「回答書を受け、また謝罪もしてもらい、すっきりした。今は別の会社に勤めているので職場の復帰は求めていない。
今後、同様の事態が起きないように雇用管理を徹底してください」として、納得した。
派遣先の雇用管理において、現場部門と本社の管理する範囲が明確に定められておらず、人事権のない製造課長が個人の判断で動いてしまったことで、労働者の誤解を生んでしまった。双方が話し合いの場を設けた結果、誤解が解け、解決した。
※この記事は弊社刊「都道府県労働局による 助言・指導 あっせん好事例集―職場のトラブルはどう解決されたのか」(平成24年3月30日発行)から一部抜粋したものです。