脚立ごと労働者が崖下に転落し死亡 足場に乗せた脚立上で作業させ送検 長崎労基署
2018.05.07
【送検記事】
長崎労働基準監督署は60代後半の男性労働者が転落死した労働災害で、個人事業主の男性を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで長崎地検に書類送検した。
労働災害は平成30年1月23日、木造平屋のログハウスのリフォーム工事現場で起きた。ログハウスは地上から約4.2メートルの崖の上に建っており、ウッドデッキに高さ1.6メートルの枠組足場を組んだ。被災労働者は災害当日、足場の上で外壁に防水シートを貼る作業に従事していたが、一部分だけ足場に乗っても届かない場所があった。足場の上に脚立を乗せ、さらにその上に乗り作業をしていたが、バランスを崩し、脚立とともに約6メートル下の崖下まで転落した。被災労働者は全身を打ち、同日に死亡が確認された。
労働安全衛生法では、高さ2メートル以上の転落の危険がある場所で労働者に作業をさせる場合、作業床を設けなければならないと定めている。同労基署は「高さが足りなかったのであれば、足場を高くすべきであり、現場の状況をみても高くすることは十分可能だったと考えている」と話している。
個人事業主の男性は同労基署の調べに対し「足場を一層だけ組めば足りるだろうと考えていたが、足りなくなってしまった。新たに足場を持ってくるのが面倒だった」と供述しているという。
【平成30年4月11日送検】