アンモニア浴び2人死傷 製紙会社を送検 保護具着用させず 名古屋北労基署
2018.05.14
【送検記事】
愛知・名古屋北労働基準監督署はボールバルブの破断によりアンモニア水が噴出し、労働者2人が死傷した労働災害で、製紙会社と同社の春日井工場の操業長を労働安全衛生法第22条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで名古屋地検に書類送検した。
労働災害は平成29年7月28日、同社の春日井工場で起きた。アンモニア水のタンクに取り付けていた液面計の調子が悪く、検査のために労働者2人がボールバルブを閉め、液面計への流入を止めようとしたところ、バルブの継ぎ手部分が破断・脱落、アンモニア水が噴出した。労働者2人は吹き出したアンモニア水を浴び、1人が5日後の8月2日に死亡、1人が怪我を負った。アンモニア水は排水を浄化する微生物の餌として保管していた。
労働安全衛生法では、ガスによる健康障害を防止するため、保護衣、保護手袋などの保護具を使用させなければならないと定めている。同社の春日井工場には保護具は備え付けてあり、いつでも着られる状況にあったが、被災時に労働者2人は着用していなかった。
【平成30年4月25日送検】