下請労働者が土塊に胸を押しつぶされ死亡 土止め設けず作業させ送検 中津労基署
2018.05.24
【送検記事】
地山の崩壊により下請労働者が胸を押しつぶされ死亡した労働災害で、大分・中津労働基準監督署は建設業者と同社の工務部長を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで大分地検に書類送検した。崩壊防止のための土止め支保工を設けず労働者に作業をさせていた。
労働災害は平成29年11月7日に、大分県中津市内の下水道工事現場で発生。同社は元請として現場に入場していた。現場では下水管を新たに設置するため、幅1.1メートル、深さ4メートル、長さ2.2メートルの掘削を行った。
同社の労働者と一次下請けの労働者が構内で下水管の接続作業をしていたところ、地山が崩壊し、一次下請の労働者は土塊に胸を押しつぶされ死亡、同社の労働者も軽傷を負った。
同社は現場に土止めを持ち込んでいたが、その長さは3メートルだった。土止めを設置するためには、3メートル以上の長さの掘削をする必要があるが、下水管の長さが2メートルだったことから、効率を優先し2.2メートルの長さしか掘らなかった。調べに対し、同社の工務部長は「作業の遅れがあった。地山も自立しているようにもみえた」と供述しているという。
同労基署は「サイズの合うものを持ち込むか、土止めが入るよう3メートル以上の長さを掘るべきだった」と話している。
【平成30年5月2日送検】