市からの「指名停止」恐れて虚偽報告 造園業関係者2人を送検 北九州西労基署
2018.05.22
【送検記事】
病院のレセプトから発覚
福岡・北九州西労働基準監督署は、休業3カ月の労働災害に関して発生状況を偽ったとして、造園業を営む男性など計2人を労働安全衛生法第100条(報告等)違反の容疑で福岡地検小倉支部に書類送検した。
送検されたのは元請の個人事業主と、1次下請の造園業に務めていた元代表取締役。
労災は平成29年10月に発生した。1次下請の造園業者で働いていた労働者が剪定作業中に川岸から川底へ2.5メートル墜落、両足かかとを骨折している。
送検された2人は発注者である北九州市に労災が発覚すると「指名停止処分になるのではないか」と考え、虚偽の発生状況を記した報告を提出していた。「時に元請と下請の関係が逆転するケースもあるなど、2社は日常的に仕事を共にする機会が多かった」(同労基署)といい、隠蔽工作に向けて利害関係が一致していたものとみられる。
同労基署が労災補償の手続きを進めるなかで、提出された報告と病院のレセプトに記されている労災発生状況に食い違いがあったことから、虚偽報告が発覚している。
【平成30年4月20日送検】