落下したスクラップで首の骨を折る重傷 立ち入り区域を設定せず送検 新潟労基署
2018.06.01
【送検記事】
2階から落下した金属スクラップが労働者の頭に当たり、首の骨を折るケガを負った労働災害で、新潟労働基準監督署は解体工事業者(福島県会津若松市)と同社の現場責任者を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで新潟地検に書類送検した。スクラップが落下し労働者に当たる危険があったにもかかわらず、立ち入り区域を設定するなどの危険防止措置を講じていなかった。
同社は建築物・工作物の解体工事を営んでいる。労働災害は平成30年1月17日、新潟市内の生コンクリートプラントの解体現場で起きた。製造プラントの2階から金属スクラップを地上に降ろすため、マグネット重機のリフチングマグネットに向けスクラップを投げたところ、磁力のスイッチが入っておらず、2階から1階に落下。スクラップは労働者の頭に当たり、首の骨を折る重傷を負った。
労働安全衛生法は、事業者は物体の落下により労働者に危険を及ぼす恐れのあるとき、落下を防ぐための網を設け、立ち入り区域を設定しなければならないと定めているが、同社はどちらの措置も怠っていた。
【平成30年5月10日送検】