【ひのみやぐら】熱中症予防は食事が大切

2018.06.25 【ひのみやぐら】
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 夏になると、食が細くなる。昼食も簡単に済ませがちになり、冷たい麺類を選んでしまう。コンビニエンスストアのせいにするつもりはないが、最近はより美味しい商品の開発やテレビCMもあって惣菜や弁当よりも、うどんやそばに手がのびる。味も濃い目で野菜不足なのは明らかなので、「いけないな」と思っていても、もともと麺好きもあってやめられない。

 炭水化物に偏った食事は、疲労回復に役立つ栄養が不足し、さらに疲れやすくなるという悪循環を招くので注意が必要――と警告するのは、労働者健康安全機構東京労災病院治療就労両立支援センターの平澤芳恵管理栄養士だ。例えば、菓子パンとインスタント麺のような昼食は、成人男性に必要なエネルギーは確保しているものの、身体をつくるうえで重要なタンパク質が不足し、調子を整えるビタミン、ミネラルが不足している。このような組み合わせが続くと、疲労解消やパフォーマンス維持に欠かせない栄養が足りないため、夏の暑い時期に熱中症になるリスクが高まると平澤さんは指摘する。

 夏バテは睡眠不足、体内の水分バランス、ミネラルバランスの崩れ、屋外と室内の温度差による体温調節の乱れなど、さまざまな要因が絡んで起こる。さらに暑い環境では、体内の水分やミネラルが急激に失われて、結果的に熱中症を発症してしまう。夏は「さっぱりしたもの」を選びがちだが、適正な食材を摂取して、夏の体力疲労からしっかりと身を守ることが必要だ。自戒の念を込めて。

 夏バテ予防には、ビタミンB1が効果的で、多く含む食品として、たらこ、うなぎ、豚肉、玄米などがあるが、大切なのは炭水化物に偏らず、タンパク質、ビタミン、ミネラルを意識した食事という。平澤さんはコンビニメニューを例にとり、麺類ならば、卵や豚肉などの具材が入ったものにする、おにぎりの場合は、鮭、肉類、たらこ、ツナなどを選ぶ、サンドイッチや惣菜パンでは、卵、ハム、ベーコン入りのものにし、野菜スープなどを追加するとしている。「ちょい足し」と考えれば難しくはないだろう。

 熱中症予防は食事から。

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平成30年7月1日第2309号 掲載
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