フォークリフトに轢かれ左足粉砕骨折、その後死亡 無資格運転で職長らを送検 春日部労基署
2018.07.03
【送検記事】
フォークリフトの無資格運転により75歳の労働者が死亡した労働災害で、埼玉・春日部労働基準監督署は建設業者と同社の職長を労働安全衛生法第61条(就業制限)違反の疑いでさいたま地検に書類送検した。
労働災害は平成29年11月19日、同社が1次下請として入る八潮市内の工場の騒音対策工事現場で起きた。同社は防音パネルの取付けを請け負っていたが、パネルの一部で不具合が発生。職長はフォークリフトをパネルのそばに寄せ、足場の代わりにしようと発進させた。
しかし、運転操作を誤りフォークリフトは急発進、パネルに当たりそうになり左に急ハンドルを切ったところ、同社の75歳の労働者に激突。労働者は左足を粉砕骨折し、病院に入院、左下肢の切断手術を受けた。しかし、術後の経過が思わしくなく、同年12月11日に多臓器不全で死亡した。なお、フォークリフトを足場の代わりに使うことは用途外使用に当たる。
労働安全衛生法は最大荷重が1トン以上のフォークリフトについて、技能講習を修了した資格者以外に運転させることを禁止している。同現場で使用していたフォークリフトの最大荷重は3.2トンだったが、運転をした職長は資格を持っていなかった。当日入場した労働者の中には資格者が1人いたが、現場では無資格者の運転が常態化していたという。
【平成30年6月5日送検】