最長178時間の残業 準大手ゼネコンを書類送検 茨木労基署
大阪・茨木労働基準監督署は、36協定の延長時間を超える違法な時間外労働をさせたうえ、適正な割増賃金を支払わなかったとして、建設業者と同社大阪支店の管理職2人の計1法人2人を労働基準法第32条(労働時間)違反などの疑いで大阪地検に書類送検した。
同社は、平成29年2月の1カ月間、大阪府茨木市内の建設作業所で施工管理を担当していた労働者4人に対し、36協定で定める1カ月当たり100時間の延長時間を超え、違法な時間外労働をさせていた。時間外労働は、最長で1カ月1人当たり178時間25分に達した。
さらに、割増賃金も適切に支払っていなかった。同労働者4人への不払い額は、計約100万円に及んでいる。
同労基署は、最初、違法な時間外労働に対してのみ是正指導を行った。しかし、改善がみられないため再度是正指導をしたところ、不払い残業が発覚、悪質と判断し書類送検した。
同社によると、28年11月に大阪支店、29年3月に建築作業所に同労基署から臨検があり、是正勧告を受けたとしている。28年以後の3年間で、残業の事前承認システムを導入し労働時間の適正把握を図ったり、パソコンのログと出勤簿上の就業時間の乖離を調べるシステムを備えたりするなど勤怠管理を強化しているほか、ノー残業デーの導入や深夜早朝勤務の就業禁止といった働き方改革を進めてきたという。
「会社として、各種施策への取組みと、36協定を遵守するというコンプライアンス意識の徹底ができていなかったことが原因である。今後、再発防止に向け、各種施策のさらなる浸透と意識改革を図るとともに、36協定の遵守及び労働環境の改善に全力を尽くす」(同社)とした。
【平成30年8月21日送検】