元請と1~3次下請が労災かくしや虚偽陳述 墜落防止措置も講じず 山口労基署が1法人5人を送検

2018.09.25 【送検記事】
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1次下請に派遣されて働いた際に被災

 山口労働基準監督署は、平成29年12月に発生した労働者が1カ月休業する労働災害に関して、地場大手の元請業者と同社現場代理人などを労働安全衛生法違反の容疑で山口地検に書類送検した。

 送検されたのはほかに、いずれも建設業で1次下請業者の代表者と従業者、2次下請業者の代表者、3次下請業者の代表者。

 労災は山口市内の建設現場で発生した。3次下請業者が雇用する労働者が足場から墜落、骨折により1カ月休業している。

 被災した労働者は労災発生当時、1次下請業者に派遣され作業に従事していた。1次下請業者の代表者は、安全帯を使わせるなどの墜落防止措置を講じていなかったため、同法第21条(事業者の講ずべき措置等)の容疑で送検されている。また、3次下請業者の代表者は自社労働者が4日以上休業する労災が発生したにもかかわらず、労働者死傷病報告書を提出しなかったとして、同法第100条(報告等)に違反した疑い。

「自社で雇用している」と2次下請が虚偽陳述

 翌年1月、同労基署の産業安全専門官が別の労働災害に関連する災害調査を2次下請業者に対して実施した際、29年12月の労災に関して「被災者は自社で雇用しており、脚立から転落して負傷した」との内容の虚偽陳述をしていた。さらに1次下請業者の従業者は、2次下請業者の代表者の虚偽陳述を幇助する目的で、「脚立を貸与した」とする陳述を行った疑い。このため2者を同法第94条(産業安全専門官及び労働衛生専門官の権限)違反の容疑で送検している。

 その後同労基署は臨検監督を実施。この時山口工業の現場代理人は、「現場内で労災は発生していない」とする虚偽陳述をした疑い。同法第91条(労働基準監督官の権限)違反の容疑で送検している。

 1~3次下請がいわゆる「労災かくし」や虚偽陳述を行った理由について同労基署は、「元請に迷惑をかけまいとしたため」と説明する。

【平成30年8月20日送検】

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