フレックスタイム制の運用失敗で残業代不払いも 長時間労働が疑われる企業への監督結果 長野労働局・29年度
2018.10.03
【監督指導動向】
長野労働局は、平成29年度に長時間労働が疑われる596事業場に対して実施した監督指導結果を公表した。全体の81.9%に当たる488事業場で労働基準関係法令違反がみつかっている。
違法な時間外労働の実態があったのは、596事業場のうち半数を超す55.4%に当たる330事業場だった。過労死認定基準である1カ月80時間を超す時間外・休日労働をしていた労働者がいたのは259事業場で、200時間を超えていたケースも6事業場でみつかった。
このほか、78事業場で過重労働による健康障害防止措置をしていないことが発覚。賃金不払い残業が発覚したのは47事業場だった。
指導事例も明らかにしている。
労働者約400人の製造業の企業では、30人以上の労働者に対して1カ月100時間を超す時間外・休日労働を行わせていた。システム管理担当者は250時間を超えていた。
さらに同社では、フレックスタイム制を導入していた一部部署で、割増賃金を適切に支払っていなかった。1カ月の清算期間内の総労働時間よりも実労働時間の方が長かったことが原因。