【ひのみやぐら】外国人労働者に日本語を
災害復興工事や東京オリンピックの影響で建設ラッシュが続いている。団塊世代の大量退職、若者の3K職場敬遠などの要因で、建設業では人手不足が深刻化。労働力不足を解消するため、外国人労働者で補っているのが現状だ。もはや、外国人労働者がいなければ仕事が回らないというほど頼りにしている現場もあるようだが、使用するためには当然、法令を順守しなければならない。
今号、特集Ⅰでは町田安全衛生リサーチの村木宏吉代表に「外国人労働者の安全管理」をテーマに雇用するときの注意点や安全衛生管理について解説していただいた。
村木代表は「意思疎通ができなければ、災害防止どころか業務を行わせることすらできません。ということは、当該外国人労働者が日本語会話をそれなりにできなければなりません。多少なりとも読み書きができるほうが望ましいといえます」と、日本語能力の重要性を指摘した。
いうまでもなく、建設現場は危険であふれている。例えば「喫煙禁止」「火気厳禁」「関係者以外立入禁止」などと書き記していても、日本語が読めなければ注意しようがない。国際絵文字(ピクトグラム)といったものもあるが、緊急に迫られていた場合、すぐに用意できればよいが、そうしたケースばかりではないだろう。
なお、日本語力が乏しい人に対応するため、村木代表は「現地語での表示も記載が必要」とした。さらに「識字率が日本人ほどではない国もあるので、文字が読めるかどうかの事前の確認は必要」と指示している。
また、一部外国人のなかには、日本語を覚えようとしない者もいるようだ。こうした者は、職場や住居でのルールを守ろうとしない傾向がある。いずれにしても、日本語が理解できない、覚えるつもりがないといった者を雇うことは避けたほうがいいだろう。
外国人労働者も、同じ職場で働く仲間であることに違いない。宗教や文化など日本人労働者にも理解を促し、配慮すべき事項を理解しておき、積極的にコミュニケーションを図る必要がある。そのためには、やはり多少なりとも日本語ができる人がいい。