欠勤控除
毎日1分しか働いてないって、
誰も何も言わなかったのかしら。
労働時間を短くしても会社が機能するなら、
新たな働き方改革かもしれないな。
解 説
現に遅刻した時間を超えて賃金を減額すれば、減給の制裁(労基法91条)に引っかかります。マンガで「前月は毎日1分しか働いてなけど」明細をみると「2000円」です。
欠勤控除の方法はいろいろな方法があるとされています。分単位の判例をいくつかみてみました。
遅刻、早退、欠勤による休業は、賃金締切期間の末日において合計し、3分単位(3分に満たない時間は切り捨てる)で休業の時間数に応じて所定の計算式で計算した賃金を支給しないとしたもの(東京地判平28・10・7)や、30分単位で賃金を控除することとしており、その算式については、1カ月平均所定労働時間数を2倍した数値を用いる。…勤務を欠いた時間30分につき、基準内賃金の340(170時間の2倍)分の1を控除するとしたもの(東京地判昭58・4・28)がありました。後者の判決文からは明らかではありませんが、30分未満は切り捨てでしょう(昭26・2・10基収4214号)。
ある調査によると、遅刻・早退の控除方法として、時間で控除が76.7%、続いて「回数」、「算式、係数、点数制等」と続いていたものがありました。さらに別の調査で時間の単位でみると、15分、10分、30分、6分の例がありました。
調査結果として1時間単位で行う企業も少なくないとしていて、マンガで月の所定労働日数が仮に20日として計20分しか働いていないとしても、1時間分に相当する時給を支払う(1時間未満の遅刻早退時間を切り捨て)という意味であれば、なるほどありなのかもしれません。逆に20分2000円は考えにくいですね。
※マンガは平成25年7月15日第2929号12面「人事学望見 第919回 賃金端数処理は厳正に行って 減給の制裁に抵触するのが多い」をヒントに描いたものです。減給の制裁の制限についての詳細・解説は、労働新聞読者専用サイトにてご覧ください。