技能実習実施事業場 75%で法違反 安全基準で違反めだつ 北海道労働局・29年
2018.10.23
【監督指導動向】
「母国語での作業マニュアル作成を」と指導
外国人技能実習生の実習実施者のうち4分の3で労働基準関係法令違反――こんなデータを北海道労働局が発表した。
同労働局は平成29年、外国人技能実習生を活用する169事業場を対象に監督指導を実施している。このうち128事業場で法違反がみつかった。
違反状況をみると、安全措置が講じられていない機械を使わせていたなどの「安全基準」が56件で最も多い。以下、時間外労働に対する割増賃金を適切に支払っていないなどの「割増賃金」が36件、時間外・休日労働に関する労使協定(36協定)の限度時間を超過して残業させていた「労働時間」が33件で続いた。労働条件の明示や寄宿舎の安全基準に関する違反も、それぞれ13件発覚している。
具体的な指導事例も明らかにした。
36協定の限度を超えて残業させていた食料品製造業者には是正勧告を発出。そのうえで過重労働による健康障害防止対策として、残業削減と限度時間超過を防ぐための徹底した労働時間管理を指導していた。
労働災害の発生を契機に監督に立ち入ったケースでは、機械の安全装置を取り付けずに作業をさせていたとして是正勧告している。技能実習生でも理解できる作業マニュアルの作成など、再発防止対策を講じるよう促した。