実習生に月84時間の残業 残業の時給は「500円」に設定 岐阜労基署・送検
2018.10.29
【送検記事】
月給は時間換算で最賃割れ
岐阜労働基準監督署は、中国人実習生に対して時間外休日労働に関する労使協定(36協定)で定めた限度時間を超えて働かせたなどとして、縫製業者と同社代表取締役を労働基準法第32条(労働時間)違反の容疑で岐阜地検に書類送検した。
同社は平成28年12月~29年2月、中国人実習生4人に対して36協定の限度時間である月60時間を超えて、最長84時間30分の時間外労働を行わせた疑い。適切な時間管理をしていなかったことが長時間労働の原因の1つになっていた。
賃金や残業代に関しても不適切な取扱いをしていたとして、最低賃金法第4条(最低賃金の効力)と労基法第37条(時間外及び休日の割増賃金)違反の容疑でも処分している。賃金は月給制を採っていたが、時給換算したところ当時の岐阜県内の最低賃金776円を150~200円程度下回る額で雇用していた。
残業代に関しては、実習生の経験年数に応じて定額払いしていた。1年目500円、2年目600円、3年目650円に設定している。
実習生からの申告が捜査の端緒。不払いの理由は経営不振で、賃金と残業代の合計91万円が送検日時点で支払われていない。4人以外にも計9人実習生はいたが、9人は帰国が迫っていたため、賃金などの不足分を遡及払いしたという。
【平成30年9月20日送検】