古紙崩壊に巻き込まれ労働者が死亡 作業中に関係者以外を立ち入らせた製紙会社を送検 富士労基署
2018.11.12
【送検記事】
静岡・富士労働基準監督署は積み替え作業後に古紙が崩壊し、崩壊に巻き込まれた64歳の男性労働者が死亡した労働災害で、製紙業者と同社の代表取締役を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで静岡地検富士支部に書類送検した。
同社は古紙からトイレットペーパーなどを製造している。労働災害は平成30年4月24日、同社の古紙置き場で起きた。古紙置き場には圧縮・拘束した古紙が4段に積まれ保管されていた。古紙は直方体で、1個の大きさは縦90センチ、横80センチ、高さ160センチ、重さは600キロほどだった。
古紙置き場の前を通りかかった代表取締役は、古紙がずれているのを見つけた。このままでは崩れる恐れがあるとして、自らフォークリフトに乗り、積替え作業に当たった。しかし、積替え直後に古紙は崩壊し、清掃中の64歳の男性労働者が巻き込まれた。労働者は頭を打ち、病院に搬送されたが同日死亡が確認された。
労働安全衛生法は積まれた荷の塊である「はい」の積替え作業を行う場合、崩壊や荷の落下により労働者に危険を及ぼす危険性のある場所に、関係労働者以外を立ち入らせてはならないと定めている。しかし、同社の代表取締役は人がいるのか確認することなく、積替え作業を始めたという。
【平成30年10月16日送検】