44%で違法残業 長時間労働が疑われる事業場への監督結果 大阪労働局・29年度
2018.11.14
【監督指導動向】
大阪労働局は、平成29年度に長時間労働が疑われる1639事業場を対象に実施した監督指導結果を取りまとめた。全体の70.7%に当たる1159事業場で労働基準関係法令違反が発覚している。
違法な時間外労働が発覚したのは727事業場だった(違反率44.4%)。このうち時間外・休日労働の最長の時間が、1カ月当たり80時間を超えていたのは505事業場に上る。200時間を超えるケースは13事業場でみられた。
事業場の約半数の労働者に違法な時間外労働を行わせていた小売業に対する指導事例も明らかにした。36協定の特別条項で1カ月当たりの残業時間の上限を80時間と定めていたにもかかわらず、最長で122時間の残業をさせていた。定期健診の有所見者に対する医師からの意見聴取も行っていなかった。
このため、違法残業については労働基準法第32条(労働時間)違反として是正勧告を実施した。健診についても労働安全衛生法第66条(健康診断)に違反するとして是正勧告するとともに、有所見者の健康確保のために必要な措置について医師から意見聴取を行い、その内容を健診の個人票に記載するよう指導している。