クレーンの無資格運転で送検 荷と重機に挟まれ労働者が死亡する労災が発生 瀬峰労基署
2018.11.29
【送検記事】
宮城・瀬峰労働基準監督署は移動式クレーンを無資格運転させたとして、土木工事業を営む個人事業主を仙台地検に書類送検した。無資格運転の結果、77歳の男性労働者が荷と重機に挟まれ死亡する労働災害が起きている。
労働災害は平成30年2月23日、同県栗原市の水田の用水路の復旧工事現場で起きた。同現場では道路から車両を水田の中に入れるための仮設の通路として、重さ約770kgの敷鉄板を使っていた。男性労働者は移動式クレーンを使い、敷鉄板を吊り上げダンプトラックに積み込む作業をしていたが、敷鉄板がトラックの「アオリ」と「鳥居」に引っかかり動かなくなってしまった。
クレーンを降り、引っかかりを直すためにアオリを下ろしたところ、支えを失った敷鉄板が振り子のようになってぶつかり、クレーンとの間に挟まれた。労働者は救急搬送されたが、同日死亡が確認された。死因は胸を強く打ったことによる出血性ショックだった。
労働安全衛生法は資格者以外にクレーンの運転業務をさせてはならないと定めているが、被災労働者は無資格だった。事業主は資格を持っていたが、労働災害当日は別の現場におり不在だったという。
【平成30年11月9日送検】