企業の健全な発展支える/池澤加代子事務所 所長 池澤 加代子

2018.12.23 【社労士プラザ】
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池澤加代子事務所
所長 池澤 加代子 氏

 今年は、社会保険労務士法が制定されてから50周年の記念の年に当たる。私が所属する兵庫県会でも祝賀式典、特別講演会、記念パーティーが華やかに行われたばかりである。この記念の年、かつ平成が終わろうとする今、私の社会保険労務士人生を振り返りつつ、今後の展望も考えてみようと思う。

 私は、平成10年4月1日に兵庫県加古川市の自宅にて開業届を提出した。加古川市は27万人弱の地方都市で、どちらかといえばベッドタウンである。つまり、企業が多いとはいえない。また私は地元民ではなく、かつ社長と呼ばれる人を1人も知らなかった。

 このような私の初めてのお客様は、地域の先輩社労士が紹介してくださった建設業者さんだった。先輩は、「自分はお客様を30件と決めている。それ以上は、きちんとしたお世話ができない。でも現在、お声掛けをいただいている企業があるから、あなたが良ければご紹介するよ」といってくださったのである。今から考えると、私はとても幸運なスタートを切ったのである。

 私の開業までの経歴は、金融機関と社会福祉法人の事務職経験のみで、労務管理の難しさを知らず、手続き関係も表面的であった。そのため開業したは良いが社労士としては全く自信がなかった。そんな私に、助言をくれたのも先輩社労士だった。その方は、通信教育で法律を基礎から学べることを教えてくれた。そして私は、その助言に従い憲法、法学、民法の基礎理解を得ることができた。

 勉強すべき分野は広く深いが、知識を深めることによって他者に安心感を与えることができたり、直接喜んでもらえたりできる社労士という職業を、今では天職だと思えるようになった。これもひとえにあの時の先輩社労士の助言のおかげである。

 開業から20年、現在の事務所は、徒歩圏内に労基署・ハローワーク・年金事務所・市役所がある恵まれた立地で、スタッフ4人とともに事務所を運営している。関与先は、地元が90%である。だから企業経営者、従業員ともに距離も心も近いと感じている。しかし甘えてはならない。スタッフも同じで、「親しさも節度を持って」である。

 最後に、今、私たちは「働き方改革」という命題を突き付けられている。社労士としては、厳しいがやり甲斐がある課題である。社労士法第1条の目的「企業の健全な発達と労働者の福祉に資する」働きを、時代に即しながら誠心誠意やっていきたいと思っている。

池澤加代子事務所 所長 池澤 加代子【兵庫】

【公式webサイトはこちら】
http://www.ikezawa-sr.jp/

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平成30年12月24日第3190号10面 掲載
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