2件の労災かくしで金属加工会社を送検 空気漏れ試験中に事故 佐伯労基署
2019.01.11
【送検記事】
大分・佐伯労働基準監督署は2件の労災かくしを行ったとして、金属加工業者と同社の代表取締役を労働安全衛生法第100条(報告等)違反の疑いで大分地検に書類送検した。
同社は工場や船舶で使われる金属製の配管などの製造・販売を営んでいる。労働災害は平成29年12月29日に同社の敷地内で起きた。被災した2人の労働者は配管に空気を注入し、空気漏れの有無を調べる試験作業に従事していた。
配管は十数メートルの長さがあり、数本を2つの仮置き台に橋渡しをするように置き、その間に労働者が入り作業していた。しかし、何らかの理由で配管が動き、1人の労働者の右膝に激突した。動いた配管はさらに別の配管に当たり、弾かれた配管が別の労働者の左膝に当たった。被災した2人は60歳代の男性で、1人は約2カ月半の休業、もう1人は書類送検時点でも休業しているという。
労働安全衛生法は休業4日以上の労働災害が発生した場合、事業者は遅滞なく労働者死傷病報告を提出しなければならないと定めている。しかし、同社は報告を怠っていた。同労基署の調べに対し、代表取締役は容疑を認めているという。
【平成30年11月29日送検】