【主張】AIによる生産性向上を

2019.01.24 【主張】
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 日本生産性本部の「労働生産性の国際比較2018」によると、日本の時間当たり労働生産性は47.5ドル(4733円)で、OECD加盟36カ国中20位と、引き続き低迷している。働き方改革による労働時間短縮と同時に、省力化投資と能力開発の積極化を同時進行させ、日本の経済的地位の向上、パイの拡大を早急に図る必要がある。

 日本の労働生産性は、米国の3分の2程度に留まり、カナダや英国をやや下回るくらいの水準にある。主要先進7カ国でみると、データが取得可能な1970年以降、最下位が続いている。

 労働力人口が急速に減少している日本としては、できる限り早く労働生産性を向上させ、経済規模拡大に精力を傾ける必要がある。このままの状態で経済の先細りを許していると、少ないパイの取り合いとなってしまい、国民あるいは労使にとっても好ましくない事態に陥る。

 労働生産性を向上させるために労使が共同して取り組むべき課題は、働き方改革による労働時間短縮と省力化に向けた設備投資の拡大、労働者の能力開発の大きく3つである。企業によって着手しやすいところから取組みを開始すべきである。

 能力開発についてみると、国際比較において能力開発の実施率が高い国が明らかに労働生産性の上昇率が高い傾向にある。たとえば、OJTの実施率をみると、OECDの平均は男性55%、女性57%だが、日本は男性51%、女性46%と低い。男性でみると、OECD加盟国中28位である。

 今年から本格始動する働き方改革による労働時間短縮も極めて重要である。AIなどによる省力化に向けた設備投資を実施して、時間当たり労働生産性を上げていかなければならない。本紙の産業・企業関連ニュース(3面)をみると、働き方改革関連法の施行を前にして、すでに労働時間短縮やオフィス改善、働きやすさの追求などに取り組む企業が多くなっていることが分かる。今後に期待が持てる動きである。

 日本の将来にとって労働生産性の向上が必要不可欠であることを強く訴えたい。

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平成31年1月28日第3194号2面 掲載
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