治療と仕事の両立支える/ラクシュミー社会保険労務士事務所 代表 小矢田 由希

2019.01.27 【社労士プラザ】
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ラクシュミー社会保険労務士事務所 代表
小矢田 由希 氏

 私が、社会保険労務士になろうと思ったきっかけは、前職の退職だった。前職は、生命保険の外交員。人とかかわることが大好きだった私は、この仕事を「天職」だと思っていた。将来は、新人教育を担当する役職に就きたいとキャリアアップのために励んでいた。当時は子どもたちも小さかったが、育児にも理解があり、とても働きやすい職場だった。

 そんな私が、突然、働けなくなった。病名は「適応障害」。抑うつ症状がひどく、対人恐怖で外に出られない。人混みではパニック発作を起こす。家事をすることで精一杯。心身が壊れてしまっていた。3カ月休職し、復職したものの、迷惑をかけた職場になんとかお役に立たなければと空回りし、病状はさらに悪化し、ドクターストップ。退職することになってしまった。

 天職を失い、落ち込んでこれからどうすれば良いのだろうと途方にくれているとき、実父に縁のある社会保険労務士の先生が「社会保険労務士になったら? あなたなら絶対成功するよ」と勧めてくれたことが、今の私のスタートだった。子どもたちは上の子は小学校に入学したばかり、下の子は3歳。「チャレンジするなら今しかない」と決心し、2度目のチャレンジで合格。開業し、今に至っている。

 今、私のライフワークは「治療と仕事の両立支援」である。4年前から主にがん患者さんの就労支援事業に携わり、現在は、がん拠点病院での相談員、石川産業保健総合支援センターの両立支援促進員、石川県地域両立支援推進チームのメンバーとして活動している。

 育児と仕事の両立は少しずつ前進し、やっと一般的になってきたが、介護や、そして私が支援している私傷病による治療との両立支援は、まだまだこれからである。

 がんに罹患し、がんの治療と仕事を両立できると思う患者さんの割合は全国平均で約3割。職場に迷惑をかけたくない、休んだらクビになる、それならいっそ…と退職しているケースが多い。事業主としても人手不足のなか、キャリアもスキルもある従業員を失うことは非常に痛手である。でも、どうしたら良いか分からない。そんな現状だ。

 病気で治療を受けながら働く不安を経験している私だからこそ、社労士として労務管理の経験があるからこそ、事業主と患者、そして医療者の間に立ち、それぞれの想いを言語化し、共存共栄の道を提案する支援を行っている。今後も多種多様な人々がどんな時も「お互いさま」と支え合える社会の実現に向けて精力的に活動していきたい。

ラクシュミー社会保険労務士事務所 代表 小矢田 由希【石川】

【連絡先はこちら】
〒921-8145 石川県金沢市額谷3丁目81番地2 メイディアス1F
TEL:076-256-3251

平成31年1月28日第3194号10面 掲載
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