【今週の労務書】『人が集まる会社 人が逃げ出す会社』
2019.01.26
【書評】
「手段の目的化」避けて
ますます深刻化する人手不足。その中でも人が集まる会社がある。本書はそんな会社をめざすために何が必要かを解説している。
著者は、人が集まらない会社の1つの特徴として「手段が目的となっている」ことを挙げる。たとえば就業規則は社内秩序の維持や帰属意識の向上、モチベーションアップなどを目的に策定する。しかし、策定が目的になり、プラスの効果が得られていない例も多いという。
策定時の注意点にも言及している。ポイントは「細かくし過ぎないこと」。細か過ぎる就業規則は従業員を信用していない証拠であり、モチベーションダウンにつながる。モチベーションの下がった従業員は規則の抜け穴を探すようになり、悪循環に陥ると強調している。
(下田直人著、講談社刊、TEL:03-5395-3522、820円+税)
平成31年1月28日第3194号16面 掲載