元請が頑なに労災保険使わせず 労災かくしで1法人3人を書類送検 福知山労基署
2019.02.04
【送検記事】
下請業者の相談からウソ発覚
京都・福知山労働基準監督署は、休業60日の労働災害に関して、虚偽の内容を記した労働者死傷病報告を提出したとして、建設関係の計1法人3人を労働安全衛生法第100条(報告等)違反の容疑で京都地検福知山支部に書類送検した。
送検されたのは2次下請の鉄筋工事業者と同社取締役、関係請負人である1次下請業者の代表取締役、および元請業者の現場代理人。
労災は平成29年12月、福知山市内のマンション新築工事現場で発生した。宮下鉄筋の労働者が転倒して膝蓋骨を骨折している。
鉄筋工事業者と1次下請が労災保険を使おうと元請に相談したところ、「困るよ」と言って拒否。1次下請のところで怪我したことにすれば、労災保険を使わなくて済むとして、「1次下請の加工場で作業後、帰宅時に転倒した」とする内容の報告を提出させた。
その後被災者が、「本当に労災保険が下りるのか」と不安に思って下請2社に相談。下請2社は元請に対して改めて元請の労災保険が使えないか打診したものの、元請は改めてこれを拒んだ。
このため、下請2社が労基署に相談に訪れ、虚偽の報告をしたことが明らかになっている。
【平成31年1月29日送検】