落下した鋼材の束が労働者に直撃、死亡 立入禁止措置未実施で書類送検 鹿嶋労基署
2019.02.26
【送検記事】
茨城・鹿嶋労働基準監督署は、クレーン作業を行っている現場における安全対策を怠ったとして、港湾運送業者と同社デッキマンを労働安全衛生法第20条(事業者の講ずべき措置等)違反の容疑で水戸地検土浦支部に書類送検した。平成30年7月、同社労働者が死亡する労働災害が発生していた。
労災は、鹿島港公共埠頭で起きている。同社は、船舶に積まれていた鋼材の束を移動式クレーンで荷揚げする作業を行っていた。鋼材の束は、7本の鋼材を1つにまとめたものだった。計3束をワイヤーロープで結束したものをクレーンが持ち上げたところ、ワイヤーロープが外れ、束が被災した労働者に直撃している。
同社は吊り上げた荷が落下する恐れがあったにもかかわらず、労働者を作業領域に立ち入らせた疑い。
同労基署は、鋼材の吊り上げ方法に問題があったと指摘する。ワイヤーロープで結束せず、箱に入れるなどして固定していれば、法律上は問題なかったという。「ただし、そもそも荷の下に労働者が立ち入らないことが、安全面から考えればベストだ」と続けている。
【平成31年2月1日送検】