【今週の労務書】『エンゲージメント経営』
2019.02.16
【書評】
施策導入前の基本書に
「エンゲージメント」とは「自発的に組織に貢献する意欲」と定義され、従来の「社員満足度」等とは似て非なるものといわれる。本書には「社員エンゲージメント」の醸成が成功する前提として、知っておくべきことが挙げられている。
著者の属するコンサルティングファームによる独自の調査から、経営者や管理職が陥りがちな「思い込み」や「勘違い」に気付くことができる。たとえば意欲的な人材が逃げない会社では、共感できる経営理念や戦略、顧客に自信をもって進められる質の高いサービスが存在することが垣間見え、必ずしも個々の社員のやりがい、高い報酬や福利厚生ばかりが条件ではない。
エンゲージメントの「ハウツー本」を手にする前の基本認識として一読しておくと、有益であろう。
(柴田彰著、日本能率協会マネジメントセンター刊、TEL:03-6362-4558、1700円+税)
平成31年2月18日第3197号16面 掲載