地元の学生を積極採用――千葉労働局が県内初の「ユースエール認定」

2016.08.19 【監督指導動向】
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 千葉労働局は、青少年の雇用の促進等に関する法律(若者雇用促進法)に基づき、管内2社を千葉県の企業として初めてユースエール認定した。認定を受けたのは、情報サービス業の㈱イーエスケイ(木更津市)と、製造業のアシザワ・ファインテック㈱(習志野市)。

 ユースエール認定企業に選ばれるには、①学卒求人など、若者対象の正社員の求人申し込みまたは募集を行っている、②若者の採用や人材育成に積極的に取り組んでいる、③過去3年間に新規学卒者の採用内定取消しを行っていない――など12項目の認定基準を満たしている必要がある。

資格取得を会社がバックアップ 月1万円手当も

 2社のうちイーエスケイ(片山健史代表取締役社長、64人)では、地元の学校とのつながりを重んじ、積極的な採用活動を展開している。

 同社では毎年2~3人の採用を続けている。情報サービスを通じて地域社会に貢献することを会社の理念としていることから、地元の高校や専門学校を卒業した学生を中心に採用。大学や高専からのインターン、高校生の職場見学の受入れも活発だ。

 入社後の研修が充実しているのも特徴で、新入社員には3カ月にわたって千葉県情報サービス産業協会主催による他社との合同集合研修を受講させる。その後、社内でさらに3カ月間、研修を実施する。外部研修への参加は、新人以外も活発だ。

 近藤繁樹取締役総務部長は「情報サービス業は、人が育たないと成り立たないものであるため、公的な資格を取ることなどに力を注いでいる」と説明する。仕事に関する資格の受験であれば、受験料は会社が負担している。さらに、合格すると手当の支給も。たとえば、基本情報処理合格で月5000円、応用情報処理で同1万円支給している。

 社内のクラブ活動も盛んで、サッカー部と野球部が熱心に練習に励んでいる。それぞれ、業界内の対抗試合に出場しているそうだ。

 ユースエール認定をめざした際、「業務にピークがあるため、所定外労働時間が月20時間以内に収まるかどうか心配だった」と近藤総務部長は打ち明ける。ただ、以前から社員の仕事の進捗状況などを確認して、過重労働とならないようこまめに対策を講じ、常時残業のある職場に対しては取組み方などを考えさせていたことが功を奏し、結果的には20時間以内に収まってる。

 出産・育児を理由に辞めた社員がゼロで推移し続けていたり、2015年度の年休取得日数が13.7日であることなど、長く働き続けられる職場環境も、同社の大きな強みといえよう。今後も、地域に根差した企業として、誰もが働きやすい職場をつくり続けていく。

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