【今週の労務書】『役員・従業員の不祥事対応の実務』
2019.03.02
【書評】
除外認定制度の活用を
業務上横領、詐欺、背任――企業としては起きてほしくないが、現実的にはたびたび生じてしまう不正行為に対して、どのように対処すれば良いかをまとめている。
巻末掲載の社内調査手順に関するフローチャートや、証拠の収集・保全、関係者ヒアリングに関するチェックリストが、難しい手続きを把握するのに役立つ。たとえば非協力的な人へ対するヒアリングでは、予期しないタイミングで行う、協力する方が得策と認識させるなどとアドバイスする。
懲戒解雇の際は、解雇予告手当の支払い義務から逃れられる除外認定制度の活用を推奨。社内調査の途中で準備を始める必要があるとした。金銭に関する不祥事を行った場合では、懲戒解雇が有効とされる傾向があるとも。
(尾崎恒康監修・執筆、第一法規刊、TEL:0120-203-694、4500円+税)
平成31年3月4日第3199号16面 掲載