無資格の玉掛けで労働者が死亡 鋼構造物工事業者を送検 都城労基署
2019.03.08
【送検記事】
宮崎・都城労働基準監督署は無資格者の玉掛けにより労働者が死亡した労働災害で、鋼構造物工事業者と同社の工場長を労働安全衛生法第61条(就業制限)違反の疑いで宮崎地検都城支部に書類送検した。クレーンで鉄板の束をつり上げ移動させていたところ、荷崩れが起き、巻き込まれた38歳の男性労働者が死亡している。
労災は平成29年7月28日に、同社の工場で起きた。工場では建築用の鉄板を製造していた。労働者が41枚の鉄板を束ねた重さ約320kgの荷を玉掛けし、天井クレーンでつり上げ移動させていたところ、鉄板の束が荷崩れを起こした。労働者は落ちてきた鉄板に突き飛ばされ、コンクリート製の地面に頭を打ち死亡した。労働者は玉掛けの資格を持っていなかった。
荷崩れは玉掛けが不適切な方法で行われていたことによる。適切な距離をとり、2点以上を玉掛けしなければならないが、被災労働者は接近した2点で玉掛けをしていた。また、荷を束ねる場合は絞りをかけ、ずれないよう固定しなければならないが、絞りが甘かった可能性がある。
労働安全衛生法は玉掛けの技能講習を修了した者以外に、つり上げ荷重が1トン以上のクレーンの玉掛け業務をさせてはならないと定めている。上記の2点は技能講習で教えている内容であり、受講していれば防げたものとみられる。
同工場には玉掛けの資格者がいた。無資格者に作業をさせた理由と容疑の認否は「答えられない」(同労基署)としている。
【平成31年2月13日送検】