働き方改革の実現手助け/佐々木健社会保険労務士事務所 佐々木 健
平成も終わりに差し掛かり、1つの時代の幕開けとともに、新しい労働法制がスタートしようとしている。労働基準法の大改革である「働き方改革関連法」の施行である。その対策を企業は迫られており、支援のために全国に設立されたのが「働き方改革推進支援センター」である。私が所属している秋田県社会保険労務士会も受託し運営しており、私もアドバイザーとして登録させてもらっている。
支援センターの初年度の業務は多岐にわたる。常駐アドバイザーのセンター業務と出張アドバイザーによる派遣による対応である。
今年からは新たにセミナーの業務も加わった。私はセミナーの担当として、年度の後半は講師やセンターの共通資料の作成に携わった。
センターにおけるセミナー業務は、企業や団体の要望を叶えるようなオーダーメイド型のものや、行政機関からの10回以上にわたるシリーズとしての依頼など様ざまである。
セミナー講師としてはまだまだな自分が、果たしてセミナー担当の1人として責任を全うできるか不安であったが、たくさんの方々の支えもあり、なんとか仕様書上の数字はクリアできた。
センターのセミナー講師業務をとおして感じたことは、働き方改革関連法の施行に関して、準備が難しく完全なる適用が困難であるという声を中小企業から聞く機会が増えたことである。
人手不足のため最少人員で現場やシフトをまわしている中、「とてもではないが…」という切実な思いを訴えてくる相談者の顔をみると、それが現実であると我に返る。しかしながら、改正労基法などの適用がすぐそこに迫っているのも現実である。なんとか相談者が抱えている課題についてのヒントとなるようなアドバイスを考えて伝えるたび、個々の企業に寄り添った支援のあり方が、今後ますます必要かつ重要であると考えてしまう。
アドバイスを行った先にある効果的な実務まで行き届いて、初めて解決に至るのであって、この段階はまだ道半ばであり、ここからは自分の社会保険労務士の領域で汗を流さなければならないと決意を新たにする。
改正法の施行に伴い、社会保険労務士の需要の高まりを感じる。きちんとした企業の将来設計と社員のニーズのバランスを考えた人事労務管理を丁寧に続けていくことの大事さを、この法が説いているようでならない。
今一度初心に戻り、企業経営の原点を考えながら職務に当たりたい。
佐々木健社会保険労務士事務所 佐々木 健【秋田】
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