19歳のブラジル人男性、入社初日に金属片が右目に刺さり失明 労災隠しで会社と代取送検 関労基署

2019.04.01 【送検記事】
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 岐阜・関労働基準監督署は労働者死傷病報告を遅滞なく届け出なかったとして、建設業者と同社の代表取締役を労働安全衛生法第100条(報告等)違反の疑いで岐阜地検に書類送検した。労働者が右目を失明する労働災害が起きていたにもかかわらず、労災かくしをした。

 労災は平成30年8月21日、同県美濃加茂市内の、長良川鉄道線路脇の草刈り工事現場で起きた。同社は現場に1次下請として入場していた。同社の労働者が、のり面の草を草刈機で刈っていたところ、長さ5ミリほどの金属片が跳ね、近くで作業をしていたブラジル人労働者(19歳男性)の右目に突き刺ささった。男性労働者は右眼球破裂のケガを負い、失明した。男性労働者は入社初日だった。

 代表取締役は病院に搬送するなどの処置をせず、男性労働者は翌日、自分で病院を受診した。労災保険を使わずに治療をしていたが、同年11月頃に病院の顧問弁護士・社会保険労務士から同労基署に連絡があり、違反が発覚した。男性労働者は労災翌日から出社できておらず、現在も治療を続けている。労災保険法で片目の失明は第1~14級まである障害等級のうち、第8級とされている。同労基署は治療の終了を待ち、障害認定を行う予定としている。

 同労基署によると、代表取締役は容疑については認めているが、供述を二転三転させているという。当初は「保護メガネを付けて作業をしろと指示をしていたのに、男性労働者が聞かなかった」と供述していたが、同労基署のその後の調査で作業員全員が保護メガネを付けていなかったことが明らかになると「そのような指示はしていない」と供述を翻した。その他にも、元請の関与を匂わせる供述の撤回などをしているという。

 同労基署は「代表取締役は示談で終わらせ、うやむやにしようとしていたようだ」と話している。

【平成31年3月18日送検】

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