心身の健康をサポート/佳子社労士事務所 代表 宮沢 佳子
当事務所は通常の社労士業務に加え、職場の健康対策にも力を入れている。そのきっかけが、5年前に参加した産業保健スタッフ向けの勉強会である。
勉強会は熱中症がテーマであり、東日本大震災の影響で節電意識が非常に高まっていた時だった。講義で印象的だったのが「仕事をする温度と生活するのに適切な温度は異なる」「室温が28度でも湿度や輻射熱等の関係で熱中症になる可能性がある」といった内容で、行き過ぎた企業の節電対策に警鐘を鳴らしていた。参加した大企業の産業保健スタッフは熱心にメモを取り、次々に専門的な質問をしていた。中小企業との「健康対策格差」を強く感じ、我われ社労士が何かお手伝いできることはないだろうかと感じた。
このような経験を踏まえ、社員の健康管理に積極的に取り組んでいる。たとえば、健康管理の基本である健康診断が適切に実施できるよう、実施時期や受診勧奨、事後措置についてのアドバイスを行っている。また、休業4日以上の職業性疾病の6割を腰痛が占めていることから、「作業に問題がないか、リスクの洗出しと対応」「予防のための簡単な運動」「腰に負担のかからない動作」などを紹介している。
私は産業カウンセラーでもあり、メンタルヘルス対策にも力を入れている。研修を通じたメンタルヘルス対策の知識習得や、心の病に対応した就業規則の作成を支援している。休職から復職までの流れを明確化し、各シチュエーションに応じた具体的な対策のアドバイスも行っている。
メンタルヘルス対策は主治医や産業保健スタッフとの連携が鍵を握るため、私自身も様ざまな勉強会に参加し、医療職とのネットワークを構築し意見交換の場を大事にしている。ある学会のシンポジストとして、社労士の立場から、ストレスチェック制度について意見を述べさせていただいたこともある。不調を未然に防ぐことが肝心であり、ストレスチェックを上手に利用し、セルフケアや職場環境の改善に適切につなげることが重要と考えている。
心や体の問題はとてもデリケートで、杓子定規な対処はできない。社労士の視点とカウンセラー的視点からバランス良く企業を支援し、従業員の「心身ともにいきいき」をサポートしていきたい。
佳子社労士事務所 代表 宮沢 佳子【千葉】
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