クレーンの無資格運転で運転者を送検 事業者の立件は断念 福岡中央労基署

2019.05.31 【送検記事】
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 福岡中央労働基準監督署は移動式クレーンの運転を無資格で行ったとして、産業廃棄物処理業者と同社の従業員を労働安全衛生法第61条(就業制限)違反の疑いで福岡地検に書類送検した。無資格運転の結果、同社の30歳代の労働者が脊椎損傷のケガを負う労働災害が発生している。

 労災は平成30年5月11日に、同社の産業廃棄物最終処分場で起きた。同社の労働者がつり上げ荷重2.02トンのいわゆるユニック車を運転し、中間処理施設から運搬した廃棄物の荷降ろしをしていたところ、車両が傾き、近くにいた同僚に倒れかかった。被災労働者は脊椎を損傷するケガを負った。四肢の運動障害や高度の麻痺が残る可能性があるという。

 労働安全衛生法は資格者以外がつり上げ荷重1トン以上の移動式クレーンの運転業務に就くことを禁止している。運転していた労働者は資格を持っていなかった。資格が必要だという認識はあったが、無資格のまま2年ほど運転業務に従事していたという。

 無資格運転のケースでは通常、作業をさせた会社と事業者を送検している。事業者の送検では災害当日に無資格運転をさせていた認識が必要となるが、証拠を固められなかったため、立件を断念した。

【令和元年5月10日送検】

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