「労働者側」掲げて活動/労働相談須田事務所 須田 美貴
「『労働者側の社労士』という表現は、公正な立場を標榜する社労士法の考えに合致しないと思いますがいかがでしょう」
先日、私のSNSに質問があった。おっしゃるとおり社労士は中立な立場であり、「どちら側」という表現はNGとされているが、これは実態としてどちらか一方からの仕事しか受けないということが良くないという話である。
労働者側からの仕事が多い私だが、経営者からの依頼もあり当然受けている。むしろ最近では、「労働者からの相談をよく受けている須田さんだからお願いしたい」という経営者が増えているので大変うれしく思う。
さらに、「須田さんのように労働者側の仕事をする社労士になりたい」という受験生や開業したての方がいるのはとても励みになる。労働者側の仕事では食べていけないというのはもはや都市伝説であり、大活躍している先輩方も多く、日々学ばせていただいている。
私は、労働者を守ることで会社を守り、会社を守ることで労働者を守る社労士でいたいと思っている。
労働者側の仕事をしていたり、あっせん代理をメインの業務としていると、常に戦闘モードな社労士だと思われがちだが、喧嘩は嫌いだ。
あっせん代理は相手と闘う仕事だと誤解されることが多いが、真逆である。喧嘩の炎上状態をおさめるのが代理人の仕事である。決して相手を攻撃する仕事ではなく、依頼人を説得する仕事でもある。
弁護士にお願いして裁判をするのと、社労士にお願いしてあっせんをするのはどう違う? これにきちんと答えられない社労士も多い。「難しい案件は弁護士に、簡単なものは社労士に」「弁護士は高いが社労士は安い、あっせんは無料だ」と、業界の価値をあえて下げる説明をしてしまう同業者がいることも非常に残念である。
私はこのように答えるようにしている。「弁護士は裁判で証拠を出し合い、どちらが正しいか白黒つける仕事。社労士は白黒つけるのではなく折り合いをつける仕事」。そして社労士向けのセミナーでは、「社労士は喧嘩をしていた二人を最後に握手で終わらせる仕事です」というようにしている。
労働者側と看板を掲げていることを社労士法違反という人もいるが、たとえば会社が扱いに困っているモンスター社員の代理人を引き受け、マナーがなければ説教し、会社と喧嘩しないよう説得する仕事も会社を守るために必要だと思う。それができるのは「労働者側」と掲げているからだ。
労働相談須田事務所 須田 美貴【東京】
【公式webサイトはこちら】
http://www.suda-sr.com/