「自分ならでは」の支援追求/東幸社会保険労務士事務所 早坂 太郎
“11日”は、多くの方にとって特別だと思われるが、私にとっても特別な日だ。毎月この11日が近づくたびに、開業を決意した頃のことを思い出す。
11日とは、2011年3月11日、東日本大震災の発生日のことである。当時、私は社会保険労務士であると同時に、労働局の職員でもあった。それまで、職場において経済・社会情勢の変化に伴う個別労使紛争の増加・多様化を肌で感じ、自分にも何かできることがあるのではないかと考えてはいたものの、社会保険労務士としての開業には踏み切れずにいた。しかし震災後、メディアに無料相談をはじめ復興に奔走する多くの社会保険労務士の姿が取り上げられたことが、私を後押しした。自分にもできることがあるのではないか。それを確かめたいと考え、まだ混乱はしていたものの、震災後の一区切りと思われた11年6月に職を辞し、1年の準備期間を経て、12年7月に自らの事務所を開業した。
そんな私の仕事への取組姿勢は、「自分ならでは」を追求すること。
よくいわれていることだが、経営者と労働者は運命共同体であり、企業の存続・成長は労使双方の利益である。労働局、労働基準監督署において経営者や労働者と接してきた経験は、相談者のニーズを引き出す感覚を与えてくれるとともに、経営者、労働者双方の立場を考えた提案をまとめる際にも生きてくる。
そのほかにも、厚生労働省など行政が発信する情報を、経験に基づいて解釈し、行政の意向、動向を経営者に伝えていく。労災請求において、認定に実際に携わった経験に基づき、認定にプラスになるような事実がないか徹底的に探すなど、あらゆる場面で、経験が私を支えてくれる。
在職時の経験をもとに、「自分ならでは」を考えて行動するよういつも心掛けている。
実のところ、職を辞してからしばらくは、仕事を得ることにいっぱいで「自分ならでは」を忘れていた時期もあった。しかしこの決意、姿勢に立ち戻ってからは、お客様に喜んでいただける機会が増え、成長が早くなったことを実感している。
悩みを持つ経営者、労働者のより良いサポートができるよう、これからも確信をもって、自分ならでは、自分にこそ、の姿勢で自らを磨いていきたい。
東幸社会保険労務士事務所 早坂 太郎【宮城】
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