球形の鋼材が転げ落ち派遣労働者が圧死 危険防止措置義務違反で金属加工会社を送検 半田労基署
2019.07.01
【送検記事】
愛知・半田労働基準監督署は派遣労働者が重さ約400キロの鋼材に押しつぶされ死亡した労働災害で、金属加工業者と同社の班長を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで名古屋地検半田支部に書類送検した。
同社は鋳造金型、特殊鋼丸棒の矯正・切断・ピーリングなどを事業としている。労災は平成30年9月27日に、同県知多市内にある同社の大興寺工場で起きた。工場では製品である長さ約3メートル、重さ約400キロの球形の鋼材のはい積み作業をしていた。
鋼材は正方形の四つ角に足を立てたものの間に積み上げていた。しかし、足と足の間隔に対して鋼材が小さかったため、足の隙間から転がり落ち、通路にいた派遣労働者(44歳男性)に当たった。労働者は鋼材に押しつぶされ死亡した。
労働安全衛生法ははいの崩壊により労働者に危険を及ぼす恐れのあるとき、ロープで縛るなどの危険防止措置を講じなければならないと定めている。同労基署は「製品を出荷しやすいように積もうとしていた。効率を優先してサイズが合わないものの上に積んでしまったのだろう」と話している。
【令和元年6月3日送検】