未来に向けて研鑽重ねる/玉木尚子社労士事務所 所長 玉木 尚子
社労士制度50周年記念式典のDVDをみると、士業としての意識が高まる。集まった社労士一人ひとりに日常のストーリーがあることを思うと、勇気をもらえる。記念の年に3つの視点で自らの社労士活動を自問してみた。
① 大切にしている時間と会話
事業主が労務管理の整備を行い、変化が起き「安心して働ける職場」となる。心を傾けている事業主との大切な時間。質問の背景にある「その心」は? 職場の人間関係について、事実関係を時系列に傾聴し、現実的な想像力を駆使する。相談者の心の状態を意識する。適切な問答をすることによって訪れる、「腑に落ちる」珠玉な瞬間。良い空気=安心感に変わるのが分かり社労士冥利に尽きる。今後も労働法のエッセンスを端的に伝え、適切で要領良く、質問者が自ら答えを導き出せるような会話の技法も磨いていきたい。
② 取り巻くステークホルダー
関与先事業所との関係づくりはもちろんのこと、当事務所の職員との信頼関係づくりも忘れずにいたい。それが業務フローの構築の基礎になり、適切な発信や相談対応を可能にする。新潟県会の社労士の先生方には開業当初から様ざまな形でお世話になっている。今後は私が受けた恩を何かの形で返していきたい。他の先生方と、業務上の協力態勢も築いていきたい。加えて出身大学の縁で、他県会の先生方とも交流がある。これも大切にしたい縁である。
③ 未来につながる仕事や研鑽
サイバー法人台帳ROBINSで2事業所に経営労務診断を行った。ROBINSに理解のある事業主の多くは、社員が望むことを敏感にキャッチし、実行している。パフォーマンスの高い社員が育つ素地があり、自然とそこで働きたいと思う人が集まってくる。現実に、労働者が求職者を連れてきた事例もあった。起こるべくして起こることなのだろう。社労士業務を続けていくなかで、柱としていきたい業務である。
日頃、医療・介護・障害者施設の労務管理にかかわることも多い。現場で働く人たちはその道のプロ・有資格者が多く、患者・利用者ファーストの目線で動いている。尊敬すると同時に、業界の関係法令や取り巻く環境を理解していなければ労務環境の整備や相談対応を行えないことも痛感している。今後は、これらの業界の職場環境も大きく変化していく。医療・介護・障害者支援の事業所が安心して働ける職場であれば、国民の安心感や社会保障の現実的な維持につながることであろう。今後も研鑽を積み重ね、社労士としてできることを実行していきたい。
玉木尚子社労士事務所 所長 玉木 尚子【新潟】
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