【今週の労務書】『ここからはじめる 働く人のポジティブメンタルヘルス』
2019.08.24
【書評】
プラス視点の活動を
これまでのメンタルヘルスの取組みは、復職支援などに代表されるように、マイナスをゼロに戻すものだった。人手不足により生産性向上が重要課題になり、プラスをさらに強化する活動も求められるようになっている。そうした中で注目を集めているのが「ポジティブメンタルヘルス」だ。
本書は事例や具体的な取組み手法を交じえ、ポジティブメンタルヘルスの始め方を解説している。どこから手を付ければ良いのか分からない管理者・人事担当者に勧めたい。
興味深いのは、過重労働対策はポジティブメンタルヘルスに効果がないという記述だ。健康障害予防には有効だが、ポジティブな気持ちにはつながらないという。事例として、残業が減ったがモチベーションも低下した職場が紹介されている。
(川上憲人著、大修館書店刊、TEL:03-3868-2651、1700円+税)
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令和元年8月26日第3222号16面 掲載