解雇予告・休業手当の不払いで食品製造業者を送検 労働者の告発で発覚 八女労基署
2019.08.28
【送検記事】
福岡・八女労働基準監督署は、労働者1人に解雇予告手当と休業手当を支払わなかったとして、食品製造業者と同社の事実上の経営責任者である代表取締役の夫を労働基準法第20条(解雇の予告)違反などの疑いで福岡地検久留米支部に書類送検した。
同社はジャムの製造などを営んでいる。代表取締役の夫は労働者1人を7月9日に口頭で即時解雇したが、解雇予告手当を支払わなかった。不払い額は12万5902円に上る。また、平成30年6月26日~7月9日にかけ、会社都合で上記の労働者を休業させたが、休業手当を賃金の所定支払日に支払わなかった。休業日数は10日間で、不払い総額は2万4530円だった。
違反は労働者の申告で発覚した。同労基署は行政指導をしたが、同社は従わなかった。労働者はその後、同労基署に法違反の告発をした。今年6月に全額の支払いがあったが、告発より後だったため、送検に至っている。
労働基準法は、労働者を即時解雇する場合、30日分の平均賃金を解雇予告手当として支払うことを義務付けている。ただし、天災事変やその他やむを得ない事由により事業継続が不可能となった場合と、労働者の責めに帰すべき事由で所轄の労働基準監督署長の認定を得て解雇する場合は「この限りではない」としている。同労基署によると、同社の解雇は普通解雇であり、即時解雇が可能な事由には当たらないという。
【令和元年7月31日送検】