【今週の労務書】『幸せ企業のひみつ』

2019.09.14 【書評】
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理論と合わせ事例を読む

 「社員を大切にする会社」として成功した好事例を取り上げた書籍は数多く出ているが、本書は事例紹介に先立って「幸福学」と「働き方改革」の関係性を示し、なぜ今「社員ファースト」の経営をめざすべきであるのかということをデータや指標を使って解説している。

 事例では障害者や刑余者の雇用、LGBTへの配慮などでつとに有名な企業も登場するが、単純に「良い話」ととらえるのではなく、前段の理論を意識して読んでみると、自社での実践にも応用ができるかもしれない。

 米国の経済団体も最近「株主第一主義」を廃止し、従業員への配慮を宣言したことが報道されたが、自社の「働き方改革」をその方向性と合わせて再考する上で、活用できるのではないだろうか。

(前野隆司編著、千羽ひとみ著、佼成出版社刊、TEL:03-5385-2323、1400円+税)

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令和元年9月16日第3225号16面 掲載
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