スレート踏み抜きで24歳男性が重傷 元請責任者など1社3人を送検 新潟労基署
2019.09.22
【送検記事】
新潟労働基準監督署は、屋根改修工事現場でスレート屋根を踏み抜き24歳の男性が重傷を負った労働災害で、2次下請のA社と同社の安全衛生責任者、元請の安全衛生責任者、1次下請の安全衛生責任者の計1社3人を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで新潟地検に書類送検した。
労災は令和元年5月18日に、同社が2次下請として入場する新潟市内の工場の屋根改修工事現場で起きた。3次下請の労働者が屋根材の荷揚げ作業中にスレートを踏み抜き、10.5メートル下の地面に墜落した。労働者は内蔵損傷や腰の骨を折るなどの重傷を負い、現在も復職ができていない状態にあるという。労働者の指揮監督は同社が行っていた。
労働安全衛生法では、踏み抜きの危険があるスレートの上で作業を行う場合、幅30センチ以上の歩み板を設けるなどの措置を講じなければならないと定めている。同労基署は「歩み板として使える屋根材が現場に搬入されていたため、先にその屋根材を葺けば良かったが、屋根材を分ける作業が面倒で、すべての屋根材を荷揚げしてしまった」と話している。
同社の安全衛生責任者はあらかじめ作業手順書を作成し、元請けと1次下請けの責任者にみせていた。元請と1次下請も危険防止措置を講じずに作業をさせていた認識があったため、3人の送検となった。
【令和元年9月5日送検】