労災かくしで食品卸売業者を送検 労働者の相談で発覚 福山労基署
2019.10.30
【送検記事】
広島・福山労働基準監督署はいわゆる労災隠しを行ったとして、食品卸売業者と同社の代表取締役、取締役の計1社2人を労働安全衛生法第100条(報告等)違反の疑いで広島地検福山支部に書類送検した。
労働災害は平成30年7月27日に同社の敷地内で起きた。敷地内には建物が2つあり、2つの建物を渡り廊下でつないでいた。渡り廊下の途中には階段があった。43歳の女性労働者が建物間を移動していたところ、階段を踏み外して転落し、骨盤を打撲するケガを負い、14日間休業した。
労働安全衛生法は休業4日以上の労働災害が発生した場合、事業者は遅滞なく労働者死傷病報告を届出なければならないと定めているが、同社はそれを怠っていた。休業期間中の賃金補償はしていたが、治療費の一部は被災労働者が負担していたという。
違反は被災労働者の相談で発覚した。当初はその他の相談だったが、話をする中で労災かくしの疑いが生じたという。
【令和元年10月7日送検】