手間を惜しまない経営/テイク・フィールド社労士事務所 竹野 剛史

2019.11.17 【社労士プラザ】
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テイク・フィールド社労士事務所 竹野 剛史 氏

 開業してから、9年目の現在も変わらず一貫して行っていることがある。それは、全ての業務に関して、手間を惜しまないという精神である。

 昨今は、AI化の波による効率化という名のもとに、手間を省き、事務所の規模を大きくすることだけに注力している動きが強くなってきているように思う。

 確かに、AIを導入することで、社会保険労務士法に定められている1号業務と2号業務は、劇的に効率化されるだろう。しかしながら、勤怠管理システムを導入しただけで定期的な勤怠の確認と働き方の改善を図っていない、給与計算システムを導入しても賃金の仕組みの見直しを図っていないケース等が多くみられる。

 現に、弊事務所の新規案件は、システム導入をしただけで、本来、社労士が行うべきコンサルティングの部分を行ってくれない点に多くの不満を抱えているお客様からの相談がほとんどである。

 弊事務所は、4人の職員で日々の業務を行っている。決して規模が大きい事務所ではないが、数年前より各担当者による顧問先完全担当制を導入し、採用から退職までの手続き、給与計算、就業規則作成・改定等の一元管理を行っている。

 開業当初は、分業にて業務を進めていたが、完全担当制を行うことで、勤怠システム、給与システム導入後も、定期的な勤怠確認、賃金の仕組みの見直しなどを行い、お客様の現状および今後を正確に把握することで、いち早く課題を発見し、積極的な提案を行っている。

 実際、AIのみに頼るのではなく、業務がより効率化され、お客様の働き方の改革をより進めることができる。

 また、弊事務所の職員教育の観点からも、完全担当制にすることで職員が日々の業務に責任を持ち、高い水準で業務を行うことができている。

 時間は要するかもしれないが、職員一人ひとりが、手間を惜しまず、お客様を良くしたいという想いで、業務を行うことで、お客様からも大きな信頼を得られる。

 もちろん、AIを活用し、業務を簡素化し、効率化することは重要である。

 しかしながら、それに甘んじて、手間を省いて良い部分と手間を省いてはいけない部分を間違って理解していると、自身の事務所もお客様にも明るい未来はないだろう。

 継続的に現場に足を運び、経営者のマインドを正しい方向に向けていくこと、そして、従業員に働く意味を真に理解してもらうことに、尽力していくことが重要である。これからも手間を惜しまず、お客様の真の働き方改革を実現していきたい。

テイク・フィールド社労士事務所 竹野 剛史【大阪】

【公式webサイトはこちら】
https://takefield-sr.com/

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令和元年11月18日第3233号10面 掲載
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