【今週の労務書】『経営戦略としての「健康経営」』
2019.11.23
【書評】
他社との差別化へ
本書は、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する「健康経営」について、期待される効果や具体的な取組み方法を解説したもの。「戦略」とは競合企業との差別化を図るための指針であり、健康経営に取り組むことこそが、他社に対する差別化につながると訴えている。
期待される効果については、東証一部上場企業を対象としたアンケート結果から明らかにした。健康経営優良法人表彰の認定企業では「イメージアップ」や「リクルート効果」、「モチベーションアップ」などを実感している。
筆者は、優秀な従業員の採用に寄与し、社会的なイメージが向上することで、間接的に企業収益に結び付くことも考えられるとした。中小・中堅企業にも人材採用面で効果があるとみている。
(新井卓司、玄場公規著、合同フォレスト刊、TEL:03-3291-5200、2000円+税)
令和元年11月25日第3234号16面 掲載