倒木の下敷きで50歳代男性が死亡 危険防止措置義務違反で森林組合を送検 人吉労基署
2019.12.16
【送検記事】
熊本・人吉労働基準監督署は、伐倒した木の下敷きになり労働者が死亡した労働災害で、森林組合と同組合の現場班長を労働安全衛生法第21条(事業者の講ずべき措置等)違反の疑いで熊本地検に書類送検した。
労働災害は令和元年7月17日に、熊本県球磨郡五木村にある山林で起きた。50歳代の男性労働者がチェーンソーを用いて木を伐倒したところ、倒れてきた木の下敷きとなった。労働者は救急搬送されたが、胸部圧迫により同日死亡した。
労働者は切った木が斜面を滑り落ちないよう、林業用機械からワイヤロープをくくりつけていた。伐倒後、ワイヤロープに引っ張られる形で木が跳ね労働者に激突し、下敷きになったという。
労働安全衛生法は伐木の作業を行うとき、あらかじめ退避場所を選定し、かん木、つるなどの伐倒の際に危険が生じるおそれのあるものを取り除かなければならないと定めている。現場班長は退避場所を選定させていなかった。また、伐倒した木の後ろには材木が積んであったが、取り除かずに作業をさせていた。材木は退避の障害になった可能性があるという。
【令和元年11月15日送検】