【今週の労務書】『社員とのトラブルを防ぐ人事労務の基本』
2012.03.19
【書評】
信頼築き磐石の態勢を
「人を思いやり、会社と共に従業員の生活を良くしよう」という経営姿勢の欠落した企業には、厚い信頼関係は築けず不信感が増幅するだけ――そうした真摯な思いからまとめられた本書は、中小企業の実務担当者が身に付けるべき基本を一から丁寧に説き、もって人事労務管理のあるべき姿を提示する。法令に則った採用から退職までの管理にとどまらず、職能資格制度に基づく昇格管理や人事考課まで解説し、人を育て、信頼を築き、紛争リスクを根絶する盤石の態勢づくりを勧めている。
定期的な自己診断がトラブル発生の予防薬になるとして、巻末にはチェックリストも収録。項目別に着眼点を絞り込み、改善すべき問題箇所を容易に把握できるよう工夫されている。
(糸原宏・寺田美津司・大野正美 著、園部洋士 監修、労働新聞社 刊、TEL:03-5926-6888、2600円+税)
平成24年3月19日第2865号16面 掲載