【今週の労務書】『社長は労働法をこう使え!』
2012.04.16
【書評】
懲戒事由は5W1Hで
3万人のうちわずか100人――これは全国にいる弁護士のうち労働法を専門とする「経営者側」の弁護士の数であるという。本書は、モンスター社員やぶら下がり社員の矢面に立たされ、疲労困憊となっている経営者が少なくない現状を少しでも改善したい、との思いから生まれた。問題社員に振り回されないために最低限必要な労働法の知識、個別紛争への対応方法を指南している。
著者は、職場のルールを守らないモンスター社員には懲戒を積み重ねて解雇に導く方法が有効と主張。この際、懲戒事由に当たる事項を「5W1H」で具体的に文書化すべきとした。裁判では証言より当時のメモなどを重視する傾向が強いためで、「指導書」や「警告文書」を出すのが適当としている。
(向井蘭 著、ダイヤモンド社 刊、TEL:03-5778-7240、1600円+税)
平成24年4月16日第2869号16面 掲載